遊び・生活 2022年6月2日
はじめて犬を迎える人にとって、
“飼いやすさ”はもっとも気になる点ではないでしょうか。
「室内犬を飼いたい」「初心者でも育てやすい犬種を知りたい」という方は多いと思います。
ここでは、室内犬を飼おうか迷っている人に向けて、
室内犬を飼う時に必ずチェックしておきたい内容や室内犬の人気ランキングを紹介します。
初心者でも飼いやすいとされている小型犬ですが、
どのような特徴があるのでしょうか。
臭いや抜け毛が少なく、お手入れしやすいのが特徴のひとつです。
室内飼いの場合、特に気になるのが臭いと抜け毛です。
臭いはシャンプーすることである程度抑えることができます。
比較的臭いの少ない犬種は、トイプードルやチワワなどです。
また、被毛のお手入れは手間がかかります。
抜け毛が少ない犬種は、日頃のお手入れも楽です。
飼い主さんの手間やトリミングなどの費用の負担も少なくて済みます。
例:チワワ、ミニチュアダックスフンド、ビーグル
賢い犬は、留守番やトイレトレーニングなどを
比較的スムーズに習得することができます。
警戒心から無駄吠えしやすい犬や、
我が強くて頑固な犬は、しつけるのに苦労します。
また、落ちつきがある、高い集中力をもつ犬も、
しつけがしやすいといえるでしょう。
例:チワワ、キャバリア、トイプードル
人懐っこく、穏やかで友好的な性格の子は、飼いやすいです。
自分からスキンシップやコミュニケーションを取りにいくので、
家族や他の犬とのトラブルも少なく、上手に付き合うことができます。
自然と飼い主さんに遊んでもらったり、構ってもらえたりするので、
犬自身もストレスを抱えにくいです。
例:パグ、ポメラニアン、トイプードル
大型犬に比べて小型犬は、運動量が少ないです。
小型犬はもともとスタミナがあまりないため、長い時間の散歩は必要ありません。
犬の様子を見ながら、適度に運動させるようにしましょう。
体のサイズが小さいので、室内の限られたスペースで遊ばせるだけでも、
ある程度満足することも多いです。
運動量の少ない小型犬は、忙しい飼い主さんや共働きの家庭に適しているといえます。
例:シーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリア
人懐こさ・お手入れのしやすさ・運動量の少なさ・しつけのしやすさの観点から、各犬種を評価。
ここでは、総合点の高い犬種を紹介します。
5つのただし、各犬種の特徴には
諸説あるということ、個体差があります。
小さな体で愛らしい見た目のチワワ。
賢くて学習能力が高く、しつけのしやすい犬種です。
チワワは体が小さくて警戒心が強く、臆病な性格です。
大声を出して叱ることや、暴力的にしつけるのは止めましょう。
甘やかすとわがままに育って、吠え癖や噛み癖が出ることもあります。
主従関係をはっきりさせ、メリハリのあるしつけをしましょう。
チワワはお手入れがしやすく、
家庭で定期的なシャンプーとブラッシングをしていれば問題ありません。
チワワは暑さや寒さに弱い犬種のため、
室内をチワワが快適に過ごせる25℃前後に保つ必要があります。
冬場は、服を着せるなどの防寒対策をしてください。
体が小さく運動量は少ないですが、
骨と筋肉を作るために日の光を浴びることが大切です。
チワワの体調を気遣いながら、散歩の時間を作りましょう。
チワワを詳しく見る愛嬌のある性格と表情が魅力のトイプードル。頭が良く、従順な性格です。
トイプードルは、人と遊ぶことが大好きなので、
知育玩具などを用いて、一緒に遊んであげましょう。
活発な性格なので、散歩の時間はしっかり取り、
運動させるようにしてください。
幼少期から人や他の犬に慣れさせる
社会化トレーニングを行っておくと良いです。
また、飼い主さんが甘やかすとわがままに育つことがあります。
要求吠えなどの問題行動が出ないよう、きちんとしつけておくことが必要です。
トイプードルは、毛が伸びて毛玉になりやすいため、ブラッシングなどのお手入れが欠かせません。
体を触られても嫌がらないようにトレーニングしておきましょう。
またトイプードルは、皮膚疾患にかかりやすい犬種です。
毎日のブラッシングを習慣化しておくことで、早期に異常を見つけやすくなります。
シーズーは、温和で誰とでも仲良くなれるフレンドリーな性格です。
一人遊びも上手で、留守番を苦にしないため、どんな家庭にも向いています。
性格的に飼いやすいシーズーですが、被毛のお手入れが必要です。
長毛のダブルコートで、抜け毛はあまりないものの、
頻繁なブラッシングが欠かせません。
また、筋肉質で体力があるため、室内で遊ぶだけでは運動量が足りません。
散歩の時間を取って、体を動かすようにしてください。
皮膚に近い分厚いアンダーコートは、濡れると乾きにくく、毛玉ができやすいです。
忙しい方は、毛を短くカットして飼うと良いでしょう。長毛シーズーは高温多湿に弱いです。
夏場は、外出時もエアコンで室温を保つようにしてください。
シーズーは小型犬といっても、体重は4~7㎏と幅があるため、大きく成長する可能性があります。
胴長短足、面長でマズルの長い顔立ちが特徴のミニチュアダックスフンド。
もともと猟犬だった歴史があり、仲間意識が強く、多頭飼いにも適しています。
活発で散歩好きなので、肥満予防やストレス発散のためにも、日頃からよく運動させましょう。
また、ミニチュアダックスフンドは、吠えやすい気質を持っています。
吠え癖がつくと直すのが難しいので、子犬のうちにしつけておくことが大切です。
食いしん坊が多いため、ご飯やおやつの与えすぎに気をつけましょう。
ミニチュアダックスフンドは、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。
過度の運動や階段の昇り降り、ベッドやソファからの飛び降りなどで、
腰に負担をかけないようにしましょう。
足が短いので、アスファルトからの反射熱を受けやすいです。
夏場は日中の散歩は避けるようにしてください。
フレンチブルドッグは、愛嬌があり活発、利口な犬種です。
あまり吠えることがなく、走り回らないので、室内飼いに適しています。
フレンチブルドッグは、体格がしっかりしていて好奇心旺盛なので、しっかり遊んであげることが大切です。
また、繊細で落ち込みやすい性格の子が多いので、
大声で叱らないようにしてください。
暑い日の散歩は、呼吸が荒くなりやすいため、
常に呼吸がどうかチェックするようにしましょう。
また、鼻の周りの皮膚がしわになっており、汚れがたまりやすいため、
こまめに汚れを拭き取ってあげましょう。
食欲旺盛なので、ごはんは適正量を与え、肥満に気をつけてください。
フレンチブルドッグの毛は短いですが、季節ごとに抜け毛が多くなります。
日頃から軽くブラッシングをしてあげましょう。
短頭種のフレンチブルドッグは、鼻腔が狭くなって呼吸が苦しくなる鼻腔狭窄という病気にかかりやすいです。
鼻をブーブー頻繁に慣らすなどの異変が見られたら、
動物病院で診てもらいましょう。
くしゃっと潰れた顔と真ん丸な大きな目がキュートなパグ。
明るく陽気な性格で、小さなお子様がいる家庭でも一緒に生活できます。
パグを飼うとき、リーダーは飼い主さんであることを理解させることが大切です。
プライドが高く、頑固な一面があるため、
甘やかすと言うことを聞かず、わがままになることも。
パグは、嫉妬深さゆえに吠えることがあります。スキンシップを多くとって、寂しさを解消してあげましょう。
パグは、活発で運動が好きな犬種です。肥満防止のためにも、しっかり散歩させましょう。
パグは暑さ、寒さに弱い犬種のため、室温を調節する必要があります。
また夏場の散歩は照り返しが少ない時間や道を選び、
冬場は必要であれば服を着せるなど、配慮してあげてください。
パグの特徴でもあるシワはお手入れが大切です。
シワの間に汚れが溜まりやすく、放っておくと悪臭や皮膚病の原因になります。
こまめに拭いてあげるなどして、清潔に保ちましょう。
パグを詳しく見る愛玩犬らしく従順で温和な性格のマルチーズ。
純白の長い被毛が特徴です。
マルチーズは、飼い主さんに褒められることに喜びを感じるので、
褒めながらしつけると飲み込みが早いです。
愛玩犬とはいえ、元気で活動的で、意外と運動もします。
飼い主さんには愛情深いですが、
神経質で気の強い面も持ち合わせているため、番犬の役割を果たすこともできます。
マルチーズは被毛の美しさを保つために、日々の丁寧なお手入れは欠かせません。
抜け毛は少ないですが、長い被毛は毛玉ができやすいため、ブラッシングが必要です。
伸びてくる毛は定期的にトリミングでカットしてあげましょう。
またマルチーズは、涙やけや涙管閉塞を含む疾患である「流涙症(りゅうるいしょう)」になりやすい犬種です。
色素沈着を起こすため、ローションやクリーナーなどで涙やけのケアをすると良いでしょう。
美しく上品な被毛と愛らしい顔立ちで人気のヨークシャーテリア。賢く勇敢な性格です。
ヨークシャーテリアは、体は小さくても、気が強い一面があります。
しつけは根気強く行うことが必要です。
明るい性格を利用して、楽しくトレーニングすると良いでしょう。
外を通る人や犬に興奮して吠えてしまう場合は、
外の様子が見えなくなるように工夫することで無駄吠えを減らすことができます。
ヨークシャーテリアは、被毛を綺麗に保つために、
定期的なトリミングとこまめなブラッシングが欠かせません。
また、膝蓋骨脱臼が多い犬種です。滑りにくい床材を使用しましょう。
あわせて高いところからの飛び降りによる骨折にも注意してください。
大きな耳と尻尾に飾り毛が特徴のパピヨン。賢く、好奇心旺盛で大胆な性格です。
パピヨンは環境適応能力が高く、飼いやすいです。
小型犬ですが、活発で運動や散歩を好みます。
ドッグランなどに連れて行き、一緒に遊んだり、思いっきり走らせてあげたりすると良いでしょう。
パピヨンは抜け毛が少なく、
もつれにくい毛質のため、比較的お手入れがしやすいです。
ピンブラシなどを使い、やさしくブラッシングしてあげてください。
また、骨折や膝蓋骨脱臼などの骨や関節のトラブルを起こしやすいです。
室内の床を滑りにくい材質にする、大きな段差をなくす、高いところからの飛び降りを防止するなどの工夫をしてください。
たれ耳と大きな瞳が特徴のキャバリア。明るく陽気で、愛情深い性格です。
キャバリアは攻撃性がなく、争いごとを嫌うため、
小さい子供や他のペットとも仲良くできます。
どんな人にも慣れてスキンシップを求めにいくので、番犬には不向きです。
また、他の犬にも積極的に近づいていき、驚かしてしまうこともあります。
子犬のころから犬同士のマナーを学ばせることも大切です。
見た目は優雅でゆったりしている印象ですが、
元気いっぱいに走り回ることも大好きです。
筋肉をつけることは必要ですが、過剰な運動は関節疾患のリスクを高めます。
成長に見合った適度な運動をさせるようにしましょう。
室内で犬を飼う際に、必要なグッズは何なのでしょう?
また、どんなことに気をつけて準備したらよいのでしょうか?
ここでは、室内犬の必須アイテムと
飼育環境の注意点についてまとめました。
室内で犬を飼うときに必要なアイテムやグッズは以下の通りです。
アイテム・グッズ | 内容・目的 |
---|---|
ケージ・ベッド(ハウス) | 犬が落ち着けるテリトリーを用意する |
サークル・ゲート | 子犬のうちは完全放し飼いはNG |
マット | 犬の足や関節のために、滑りにくい環境にする |
トイレ・ペットシート | まずは室内でトイレ→お散歩デビュー後は家・外の両方でトイレできるようにする |
ドッグフード | 犬の年齢や大きさ、アレルギー等に合わせたものを選ぶ |
食器・給水器 | 犬のサイズに合ったもの(早食い防止の食器もある) |
首輪・ハーネス・リード | 散歩や通院時の必須アイテム |
クレート・キャリーバッグ | 移動時に備えて、日頃からクレートなどに慣れさせておく |
空気清浄機 | アレルギーやにおい対策におすすめ |
ケージの定位置は、騒音や明るさが犬のストレスにならない場所がベストです。
また、トイレスペースはマットやカーペットから離して、
なるべく落ち着ける場所に設置しましょう。
子犬のうちはマットとペットシートの判別が難しいため、
近くに置くとトイレを失敗してしまう原因になります。
フローリングは滑りやすいので、犬用のマットなどを敷いてあげましょう。
特に胴長の犬種(ミニチュアダックスフンドなど)や
足の細い犬種(トイプードルなど)を飼う際には注意が必要です。
犬用のマットには防音効果や消臭機能付きのものもありますよ。
犬はコンセントや電気コード、ティッシュなど、思いもよらない物に興味を示します。
コンセントやコード類は危険なため、感電防止カバーをつけましょう。また、ティッシュは犬の届かない場所や扉付きの収納にしまうことが大切です。
また、人間の食べ物は犬にとって毒になるものが多いです。キッチンの前にゲートや柵をつけて、迂闊に入らないように注意しましょう。
外出時にWebカメラをつけるのも一つの手ですよ。
ペット可の賃貸物件でも、退去時には原状回復義務があります。
室内で犬を飼うと、壁紙を引っ掻いたりかじったりしますので、ペット用の保護シートや厚手の壁紙を重ね貼りするのがおすすめです。
保護シートや重ね貼りできる壁紙にも、防音効果や消臭機能付きのものがあります。
初めて犬を飼うときに、最も難しいのが犬のしつけです。
特に、室内で犬を飼う場合には、トイレや無駄吠えに関するしつけが重要になります。
愛犬が他人に危害を及ぼすと、
飼い主がその責任を負わなければなりません。
愛情をもってしっかりしつけすれば、愛犬に規律とマナーが身について、
人間社会にうまく馴染めるでしょう。
コマンドとは、飼い主が「犬にしてほしい行動を示す合図」です。
コマンドトレーニングは愛犬とのコミュニケーションの一環であり、
危険から犬の身を守る方法でもあります。
コマンドは声やハンドサイン、表情ではっきり示しましょう。
犬種ごとの特徴からそれぞれの飼いやすさを紹介しましたが、
性格や特性には個体差があります。
飼い主自身の性格、家族構成や生活スタイルによって
飼いやすいと感じるポイントは異なるでしょう。
なにより大切なのは飼い主が忍耐強く、
愛情を持って犬と向き合うことです。
人間と同じく、犬も生活環境やコミュニケーションによって社会性を身に付けていきます。
犬の社会化期といわれるのは生後3カ月頃まで。
この時期に基本的なしつけをおこない、たくさんの人と触れ合ったり外の環境を経験させたりすることで、
従順性や柔軟性を育むことができます。
叱るしつけが主流の時代もありましたが、
今はほめることで犬の能力を伸ばすほうがいいといわれています。
犬は、飼い主にほめられたり喜んでもらうのが大好き。
できないことを叱るのではなく、
できたときにめいっぱいほめてあげてくださいね。
運動量が少ない犬種や一人遊びが上手な犬種であっても、
散歩やコミュニケーションは必要です。
犬にとってよい刺激となるものをたくさん与えることで、
問題行動の少ない飼いやすい犬に成長してくれます。
しつけや遊びを通して、どんなほめ方をしたときに喜んでいるか、
どんなシチュエーションでどう伝えると、愛犬は理解できているのかなど、
犬の反応を見ながら触れ合い、愛犬自身が持つ個性に注目しましょう。
飼い主との相性や生活スタイルによって、
飼いやすい犬・飼いにくい犬というのはあるでしょう。
けれど、犬には犬の個性があり、習性があり、
それを人間に合わせるのは難しいということは理解してあげたいですね。
ここでご紹介したように、比較的人間にとって飼いやすい性質をもった犬種はあります。
ただどの犬種を選んでも、お世話の時間や手間、
費用などはある程度かかります。
迎えた以上は、その子の個性を尊重し、
じっくり時間をかけて成長に導いてあげてください。