食べ物 2022年3月11日
犬にアボカドを与えてはいけません。
犬の体に有害な成分「ペルシン」が含まれているほか、高脂肪&高カロリーで、
栄養成分的に犬の健康を損なう危険があります。
また、大きな種を喉に詰まらせてしまったり、腸閉塞の原因となるなど危険のほうが多い食材です。
さらに品種によりペルシンの含有量が異なるので、
危険な量の目安は明らかになっていませんが、少量でも与えないほうが安心です。
「森のバター」といわれるほど栄養価の高い「アボカド」。
身近なスーパーでも手軽に手に入ることから、家庭の食卓にのぼる機会も多いかもしれません。
しかしながら、人間にとって健康に役に立つ食べ物でも、
犬にとっては健康を損なう原因になる場合があります。
アボカドもそうした食べ物のひとつ。アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は、
下痢や嘔吐などを引き起こす原因になるといわれています。
犬とアボカドに関しては多くの情報があり、「絶対に食べさせてはいけない」というものもあれば、
「犬の場合は中毒が起こっても軽症」と書かれているものもあります。
ただ、実際どのくらいの量を食べたら中毒症状が起こるのか具体的な数量は明らかにされていません。
アメリカではアボカドを使ったドッグフードもあり、産地や品種によっては犬が食べられるアボカドもあるという情報も。
しかしながら、実際に国内でも海外でも、実際にアボカドを食べて
体調を崩した犬の例が報告されているので、
愛犬にアボカドを与えるのはやめておいたほうがよいでしょう。
犬にアボカドを与えてはいけない理由の第一に挙げられるのが「ペルシン」という成分です。 さらに、アボカドにはほかに犬の体に害を及ぼす危険が潜んでいるので、併せてチェックしておきましょう。
「ペルシン」は、アボカドの葉・皮・種子・果肉に含まれている殺菌作用のある成分です。
人間の体には無害ですが、犬を含む動物(馬、牛、ヤギ、猫、マウス、ハムスター、うさぎ、鳥など)には有毒であるといわれています。
とくに、鳥類への毒性は高く、摂取して数時間で死に至るケースもあります。
アボカドの産地や品種によってペルシンの含有量は異なりますが、日本で多く販売されているグアテマラ系の含有率は高いといわれています。
アボカドは100gあたり17.5gもの脂肪分を含み、カロリーも100gあたり178kcal。
鶏のささみは、100gあたり脂肪分1.1g、105kcalですから、いかにアボカドが高脂肪&高カロリーであるかがわかります。
このような食べ物を過剰に摂取すると、急性膵炎になる恐れがあります。
アボカドの真ん中には大きくて固い種があります。
この種を犬が丸呑みしてしまうと、食道に詰まらせてしまう恐れがあります。
また、うまく胃まで到達したとしても、そのまま腸に送られ、腸管を詰まらせれば腸閉塞になります。
アボカドには、100gあたり2.1gのタンパク質が含まれています。
タンパク質に免疫機能が過剰に反応することで、アレルギー症状を示すことがあり、
ごく稀にアボカドでアレルギーを起こすケースもあります。
アボカドの真ん中には大きくて固い種があります。
アボカドは産地や品種によりペルシンの含有量が異なります。
犬の年齢や体調、持病の有無によっても、
有害な成分の吸収率が違ってくるので、危険な摂取量がどれくらいか明らかになっていません。
「少しくらいなら大丈夫では」と判断して、愛犬にアボカドを与えるのは危険です。
犬がアボカドを食べた場合、原因によって以下のように異なる症状が見られます。
嘔吐や下痢が続き、水分補給や食事の摂取ができないと、
脱水状態になり、悪化すると呼吸困難やけいれんを引き起こすこともあります。
犬がアボカドを食べてすぐにではなく、食後1〜3日後に症状が出ることが多いようです。
お腹に強い痛みがある場合は、愛犬を抱き上げようとしたときに「キャン」と悲鳴のような声を出すことがあります。 また、嘔吐や下痢などが繰り返されるなど症状が繰り返し出る場合には注意が必要です。
食べたものが、どのくらいで消化され吸収されるか?によって症状の発現までの時間は異なってきます。
大量に食べてしまった場合にはすぐに症状が出て、その症状が繰り返されることが多いです。
少しの量であっても吸収されて症状が出てくるまでには数時間から1日程度かかるのが一般的です。
食べてすぐに症状が出ないから平気とは思わず、少なくとも数日間(3日程度)は様子を観察しましょう。
アボカドの種(気管)に詰まった場合、咳をしたり掻いたりしながらでも少しでも機動が確保できているのか、または全く息ができない状態なのかをチェックして、すぐに動物病院に連絡を。
犬がアボカドの種を飲み込んですぐ、突然症状が見られます。
このような軽度の症状が続くと、脱水状態になり体重も減少します。
さらに腸が完全に塞がれて悪化すると、
などに症状が見られ、腸内細菌の毒素が体内に入ると、ショック状態に陥って死に至ることもあります。
急性膵炎と同様に、食べたものの消化・吸収スピードによって症状発現までの時間は異なります。
大量に食べてしまうと、多くの場合は、すぐに症状が出てその症状が繰り返されす。
一般的には、少しの量であっても吸収されて症状が出てくるまでに数時間から1日程度かかります。
すぐに症状が出ないからと安心せずに、少なくとも3日程度は様子を観察するようにしてください。
アレルギーには食べてからすぐに発症する
「I型過敏症」と、数時間以上で発症する「Ⅳ型過敏症」があります。
人間は「I型過敏症」が一般的ですが、犬の場合は「Ⅳ型過敏症」が多いようです。
犬がアボカドを食べてから数時間後に嘔吐や下痢、
体を痒がるなどの症状が見られたら、アボカド対する食物アレルギーかもしれません。
もし、愛犬がアボカドを食べてしまっても、何か普段と変わった様子が見られないなら、慌てて病院に駆け込む必要はありません。
まずは落ち着いて、以下の対処法をチェックしてから行動してください。
アボカドの種を飲み込んだときに、飼い主さんが無理に吐かせようとするのは危険です。
すぐに病院へ連れて行い、獣医師の適切な処置を受けてください。
種以外の皮や果肉を食べてしまったときは、
何らかの症状が出ている場合は、すぐに病院に連絡して受診を。
食べたのが明らかでも、とくに症状が見られない場合は、
食べたもの、食べた量、時間を病院に伝えて、指示をもらいましょう。
なお、ペロッと舐めたり、ごく少量食べてしまったりした程度で、
とくに普段と変わった様子が見られないなら、慌てて病院に駆け込む必要はありませんが、
体調に変化がないか気をつけて見守ってください。
もし、愛犬にアレルギーがあるかどうかわからない場合や、
食べた量が多いと考えられる場合は、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
病院では、飼い主さんから話を聞いたうえで、
以下のような処置や検査を行い、原因を特定して治療を行います。
犬がアボカドの種を喉や食道に詰まらせた場合は、獣医師による摘出が必要です。
ピンセットで取り出す、麻酔をかけて内視鏡で取り出す、薬によって嘔吐させるなどの方法が考えられます。
レントゲン検査や腹部エコー検査を行い、
種が詰まっている場所を特定します。
具合によって血液検査を行う場合もあります。
下痢や嘔吐が続くと脱水状態に陥っている可能性が高いため、
点滴による水分補給が必要です。
犬の点滴は人間と同様に静脈から行えますが、
犬はじっとしていないので難しいかもしれません。
そんな場合は、背中の皮膚と筋肉の間に
まとまった量の輸液を入れる「皮下点滴」という方法が有効です。
10〜20分程度の処置で済み、入院の必要もありません。
ただし、皮下点滴が有効なのは、軽い脱水の場合です。
重度の脱水を起こしている場合や、内臓(腎臓や肝臓、膵臓、腸など)がダメージを受けている場合には、
処置や治療のために入院が必要になるケースもあります。
また、腸閉塞が起こっている場合は、開腹手術を行います。
愛犬がアボカドに興味を示すことが、誤飲や誤食につながります。
愛犬の見えるところ、手が届くところにアボカドを置いてかないようにしてください。
種や皮を捨てたゴミ箱にも要注意です。愛犬がゴミ箱をあさったりしないよう、管理を徹底しましょう。
そして、一番大切なのは愛犬が欲しがったとしても、アボカドが入った料理は与えないことです。
「ほんの少しなら大丈夫では?」という油断が、愛犬の健康を脅かすことになるかもしれません。
なお、アボカドオイルも、人間用に加工されているので、犬には与えないほうが安心です。
アボカドには犬の体に有害な成分が含まれている食べ物です。
愛犬が欲しがったとしても、アボカドを与えてはいけません。 何でも丸呑みしてしまう習性のある犬にとって、とくに種は喉や食道に詰まらせる可能性があります。
アボカドを料理したときは、皮や種といったゴミの管理にも気をつけ、愛犬が誤飲しないようにしましょう。