食べ物 2023年3月2日
暮らしの中で嗜好品として親しまれているコーヒー。
犬にとってコーヒーは中毒を起こす危険なものです。
犬にコーヒーは絶対与えてはいけません。
また、愛犬がコーヒーを誤飲しないよう、飼い主さんは細心の注意が必要です。
最悪の場合、死に至ることもある犬のカフェイン中毒。
今回はもしも愛犬がコーヒーを誤飲してしまったら?ダメな理由や中毒症状、対処法について述べます。
私たちの暮らしの中で、嗜好品として親しまれているコーヒー。
最近では、愛犬と食事が楽しめるドッグカフェなども多く、
一緒に行かれる人もいるのではないでしょうか。
犬にコーヒーを与えることはないと思いますが、
誤ってコーヒーの入ったカップの中を舐めたり、飲んでしまう可能性も…。
コーヒーが犬にとってよくないのは、「カフェイン」という成分が含まれているからです。
コーヒーには、「カフェイン」や「ポリフェノール」など、
人間の健康を増幅させる効果があるといわれている成分が多く含まれています。
しかし、人間にとってメリットになる成分が、必ずしも犬にとってもよいとは限りません。
「カフェイン」とは、犬にどんな作用を及ぼすものなのか理解しておきましょう。
今回は、犬にコーヒーを飲ませてはいけない理由や、中毒症状、対処法などについて詳しく述べます。
人間でも、コーヒーを飲むことで眠れなくなるということが起こりますよね。
これは、コーヒーに含まれるカフェインが中枢神経を刺激し、興奮させるからです。この作用は犬にも同様に現れます。
また、犬はカフェインの代謝を苦手とします。人間より身体が小さく、
強く反応が出てしまうことが多いため、犬がカフェインを大量摂取すると中毒を起こす危険性があるのです。
コーヒーそのものだけでなく、コーヒーを入れた後の残りかすや、
コーヒー豆、インスタントコーヒーの粉、コーヒー牛乳、アイス、クッキー、パンなどにも、量は異なりますがカフェインは含まれています。
コーヒー以外にも、紅茶、緑茶、抹茶、烏龍茶、ほうじ茶、ココア、コーラ、エナジードリンクなど、カフェインが入っている飲み物は多く、同様に注意が必要です。
また、チョコレートなどカフェインを多く含む食べ物やおやつも与えないようにしましょう。
カフェオレはミルクで薄めているのでカフェインが少ないように感じますが、
通常のコーヒーよりも濃く抽出されていることもあり、カフェインの量が多いことには変わりありません。
カフェインレスやデカフェという言葉を耳にしたことはありませんか。
カフェインレスはカフェインの含有量が少ないものを指します。
デカフェは本来カフェインを含んでいるものから、カフェインを取り除いたもののことを言います。
そのため、どちらもカフェインゼロというわけではないので「カフェインレスやデカフェなら大丈夫」とは言えないのです。
犬がコーヒー等を飲んでしまったときには、
どのような症状がどれくらいの時間で出るのでしょうか。例をみていきましょう。
テオブロミンというカフェインに含まれる成分には中枢神経を興奮させる作用があり、
痙攣やてんかん発作を誘発すると言われています。
そのため、てんかん発作を起こしやすい持病のある犬には特に注意が必要です。
個体差はありますが、
多くの場合は犬がコーヒーを誤飲してから1〜2時間後に中毒症状が現れるといわれています。
ただし、先述した危険な量の目安はあくまでも一つの目安です。
少量でも誤飲してしまった(誤飲したことが疑われる)場合には、
必ずかかりつけの獣医師に連絡してすぐに対応してください。
こうした初期症状が見られた場合も軽く考えず、ただちに動物病院を受診することをおすすめします。
初期症状を過ぎると、嘔吐や下痢など中毒症状が見られるようになり、ぐったりとしてきます。
ただちに動物病院を受診し、獣医師の指示に従ってください。
これらの症状が見られるとたいへん危険です。犬のカフェイン中毒は重篤な場合、1分1秒が命に関わる可能性があり、
最悪の場合、死に至ることもあります。すぐに動物病院を受診し、獣医師の指示に従ってください。
万が一、コーヒーを摂取した後で、
このような症状が見られるときにはカフェインによる中毒症状の可能性があります。
海外では3gのカフェインを摂取した7kgの犬が2時間後に中毒で死亡したという例も報告されています。
特に重篤な犬のカフェイン中毒の場合、1分1秒が命にかかわり、
最悪の場合死に至ることも。
すぐに動物病院で診てもらい、獣医師の指示に従いましょう。
犬にとって危険なコーヒーの摂取量は個々によって異なりますが、
一般的に犬1kgあたり100〜200mg程度のカフェインが致死量になると言われています。
飲み物に含まれるカフェイン量は、コップ1杯(100ml)に対して下記の量が含まれます。
商品によって含有量は多少異なりますが、
3kgの犬だったらコーヒー3杯、5kgの犬だったらコーヒー5杯分くらいになります。
基本的に一口舐めたり、コーヒー豆1粒をかじったりする程度なら問題はないものの、
これはあくまでも目安です。犬の健康状態によって変わるので注意が必要です。
また、飲んだ量が少しであっても、
興奮したり嘔吐などの症状が見られる場合には、注意が必要です。
犬がコーヒーを誤飲してしまったら、
まず、どのように対処をすれば良いのでしょうか。
量にもよりますが、誤って飲んでしまったら、
まずは慌てず1〜2時間様子をみましょう。
カフェインには即効性と持続性があるので、症状は早く出て長引きます。
少量の場合は水を飲ませるだけで落ち着く場合もあります。
個体差はあるので、1〜2時間経って問題がなかったとしても、
翌日までは犬の体調をしっかり観察するようにしましょう。上に述べたような症状があるときは速やかに病院へ。
病院に行ったときに正しい情報を獣医師に伝えられるように、
身体の状態はもちろん、「いつ」「何を 」「どれくらい飲んだ(食べた)」などを具体的に把握しておきましょう。
「これくらいしか飲んでいないから大丈夫」という過信も禁物です。
また、応急処置として自分で無理に吐かせようとしてはいけません。
病院で受診する前に、電話で予め状況を説明し、
到着後はすぐに処置を受けられるようにしましょう。
病院ではカフェイン中毒に対する解毒剤はないので、
点滴での治療や摂取したものを吐き出させる治療になります。
中毒症状が出ていて危険と判断された場合には、胃洗浄などが行われることもあります。
いかがでしたか?犬がコーヒーを飲むことの危険性や中毒症状、対処法などがわかりました。
また、カフェインそのものが危険なのでコーヒーだけでなく、
緑茶、紅茶などのカフェイン入りの飲み物やお菓子についても同様に注意が必要です。
まずは予防として、私たち飼い主が日頃から気をつけることがとても大切です。
飲ませない・舐めさせないはもちろん、手の届かないところに保管し、テーブルの上や床にこぼしてしまった時にはすぐに拭き取りましょう。
コーヒーや茶葉の残りカスでもは香りは強いです。ゴミ箱に捨てたつもりでも、探して見つけ出す可能性があります。コーヒーやコーヒー商品、カフェイン入りの飲み物などを、誤飲・誤食しないようにしっかりと対策しましょう。
また、ドッグカフェに連れて行く時にも注意が必要です。外出時は通常より興奮状態にあり、危険度は増します。犬から目を離さないように、いつも以上に気にかけてあげましょう。
それでも万が一、カフェインを摂取してしまった場合には速やかに対処し、場合によってはしっかりと状況を把握した上で病院へ電話し、連れて行くようにしましょう。
愛犬のためにも細心の注意を払いながら、コーヒーを楽しみたいですね。