しつけ 2022年1月20日
玄関チャイムのピンポーンに反応してワンワンワンワン!
多くの犬の飼い主のお悩みの一つが、この玄関チャイムに反応して過剰に愛犬が吠えること。
放置するとさらに激しく吠えるようになったり、吠えグセがついたりすることもあります。
愛犬の困った吠えグセは、実は飼い主さんの対応次第でしつけ直しが可能です。具体的な方法を見ていきましょう。
いつもは、ワンとも吠えないのに玄関チャイム・インターフォンにだけは過剰に反応する、
そんな“玄関チャイム犬”は多くの飼い主さんの頭を悩ませています。
なぜ、犬は玄関チャイム音に吠えるのでしょうか?
その「なぜ」を知るためには、犬の性格や犬種特性を理解すると共に、
犬の心理・状態を探る必要があります。
まずはチャイム音に反応して吠えているときの犬の心理・状態から考えていきます。
犬がチャイムの音や来客に対して吠えるのは、恐怖や警戒心が原因です。
チャイム音が鳴ると多くの場合で知らない人が自宅の玄関に入ってきます。
これは飼い主さんにとってはただの宅配便であっても、犬にとっては未知の生物との遭遇になります。
それゆえに怖がりの犬の場合は、見知らぬ人がきた恐怖・不安から『怖い!こっちに来ないで!』と怯えてしまい、それが吠える行動に繋がることがあります。
来客に対してよい印象を持たせることによって、チャイムと来客への警戒心を払拭できるでしょう。
自分が家のリーダーだと思っている犬に多い理由として、
チャイムの音が鳴って吠えるのは「縄張り意識が強い」ということが挙げられます。
縄張り意識がある犬は、自分のテリトリーに入ってきた侵入者に対して
『入ってこないで!』と吠えて警戒信号を出し、追い出そうとします。
一方で、人が大好きなコの場合は『チャイム音が鳴ったら誰かが来てくれる!』という気持ちで、
来客が嬉しくて興奮して吠えている場合もあります。
『お客さん嬉しい!遊ぼ!』という心理状態となっているため、
来客時に訪問者に飛び掛かったりと言う行動が見られる場合に考えられる理由です。
現在は家庭犬として人間と暮らしている犬でも、
過去には農場の番犬や狩猟犬として活躍していた犬種があります。
特に、吠えて獲物の居場所を教える使役をしていた狩猟犬や、吠えて動物を追い込む牧羊犬などは、
吠えることを仕事としていたため、吠えることが悪いことだとは思っていません。
自分のテリトリーを守ろうとする意識の強い犬種や警戒心の強い犬種は、
チャイム音というよりは外部からの侵入者に対して吠えやすい傾向があります。
また体の小さな小型犬は、大型犬と比較すると臆病な性格・神経質な性格の子も多く、吠えやすい傾向が見られます。
古来より人間と共に暮らしていた犬種の多くは、人間の仕事を助ける役目を担っていました。
中でも、ガードドッグ、ウォッチドッグと呼ばれている犬種は、よく吠えることで知られています。
代表的な犬種には、ミニチュアピンシャーで知られるピンシャー種、
ミニチュアシュナウザーが人気のシュナウザー種、シェパード、マスティフ、ロットワイラーなどがいます。
古来より人間の狩猟パートナーとして活躍していた犬種の中には、相手を威嚇するために吠える犬種と獲物の居場所を人間に教えるために吠える犬種があります。
中でも吠える犬種として知られているのが、ジャックラッセルテリアを代表とするテリア種、スパニエル種、ミニチュアダックスフンド、ビーグルなどです。
シェットランドシープドッグやボーダーコリーに代表される牧羊犬は、吠えながら羊を一ヶ所に追い込むことを仕事としていた犬種です。
そのため、吠えることが悪いことだとは思っていません。また、牛追い犬として知られているウエルッシュコーギーも吠えることを仕事としていた犬種です。
恐怖や不安、警戒心を強く持つ犬は、玄関のチャイム音が鳴ると『知らない人がくる…』と反応して吠えることがあります。
特に、愛玩犬として作出されたチワワやポメラニアンなどが吠えやすい犬種と言われており、
これは犬の特性として自分より大きい物を警戒して吠えるという習性があることが原因と考えられています。
犬が好きな来客なら、犬を抱っこして玄関に行き、来客におやつを与えてもらってください。
そうすることで、犬は「来客はおやつをくれる人」「チャイムはおやつがもらえる合図」と覚え、警戒心が薄まります。
また、家族で協力してチャイムに慣れさせるのもいいでしょう。
家族にチャイムを鳴らしてもらうようにして、チャイムが鳴る前から好物やおやつ入りのおもちゃなどを噛ませるなどして気をそらせましょう。
来客役の家族は吠えずにいられたらおやつを与えます。
チャイムや来客への吠えグセを直すためには、
愛犬に吠える経験を積ませないことも大切。チャイムや来客のたびに吠えていると、その習慣が身についてしまいます。
エントランスと玄関でチャイムが2回鳴ると、
吠える回数も2倍に。ここで吠えグセをつけさせないためには、2回目のチャイムは鳴らないようにするのがおすすめです。
エントランスのチャイム音に愛犬が吠えたら、
まずは「おすわり」で落ち着かせ、抱っこしましょう。このとき来客に「玄関のチャイムは鳴らさないでください」と伝え、玄関で一緒に待機してください。
また、チャイムの音量を小さくしたり、音が変えられる場合は一度変えたりしてからしつけをし直してもいいでしょう。
吠え対策をしやすくするには、宅配便が届く日を1日にまとめるといいでしょう。
宅配便はなるべく日時を指定し、「毎週この曜日は宅配デー」のように決めておくと便利です。
宅配便が届く日は、チャイム音の聞こえにくい部屋で愛犬を待機させる、トリミングサロンに預ける、家族に散歩へ連れ出してもらうなどして、チャイムが聞こえる回数を減らします。
宅配便が届く指定時間が近づいてきたら、犬をあらかじめハウスに入れ、
おやつ入りのゴム製おもちゃなどを与えると、より吠えにくくなるでしょう。
チャイム吠えが癖になってしまっている犬に、吠えないように対策することの難しさは、
チャイムの音に気付いて吠えたら飼い主さんに構ってもらえた!オヤツをもらえた!と逆に覚えてしまう恐れがあることです。
オヤツをもらえたことで警戒心が緩んで吠えにくくなることも期待されますが、
やり方を間違えるとチャイム吠え=オヤツといった学習をし、逆効果になってしまうことも。
学習をして吠えることを覚えたゆえに、解消する上でも時間が必要です。
まずは吠え続けるところから、2~3回吠えるレベルに抑えられれば良いという気持ちで、根気強く慎重に指示を出すことを意識しましょう。
犬は理由もなく吠えることはありません。なぜ吠えているのか?
その理由を考えて寄り添っていくことを常に意識できるといいですね。