健康・病気 2021.12.29
愛犬がかゆがる姿を見て、
「もしかしてアレルギー?」と心配になったことはありませんか。
動物にはウイルスや細菌といった病原体の侵入から
体を守る“免疫”という仕組みが備わっています。
この免疫のシステムが有害な物質や病原菌だけではなく、
本来無害なはずの食べ物や花粉などに過敏に反応して、
自分自身を傷つけてしまうことがあります。
これが「アレルギー反応」です。
これらの免疫反応を引き起こさせる物質のことを“抗原”と呼び、
なかでもアレルギー反応を引き起こす抗原を“アレルゲン”と呼びます。
アレルギーにはさまざまな種類がありますが、
約4割のワンちゃんに食物を原因とする食物アレルギーの可能性があるといわれています。
今回は食物アレルギーとは一体何なのか、
何が原因で発症するのか、症状などを詳しく解説していきます。
食物アレルギーは食物や食品添加物への過敏な反応を原因に、
皮膚症状や消化器症状などを起こす病気で、食物過敏症とも呼ばれます。
食物アレルギーの場合は、
食べ物に含まれるタンパク質が主な原因といわれています。
ただ、どのタンパク質が原因なのかは
わんちゃん1頭1頭それぞれで異なります。
よく耳にするような鶏肉や豚肉、鶏卵などの
動物性たんぱく質に対してだけでなく、
きゅうりやすいか、りんごなどの野菜や果物、
小麦などの穀物や食品添加物にも
アレルギー反応を示す場合があります。
治療法については、
アレルゲン含まない「アレルゲン除去食」による
食事療法が有効とされています。
食物アレルギーを発症すると、
強い痒みや皮膚炎、腸炎などの症状があらわれます。
日常生活で気づける症状は次の通りです。
これらの症状が普段よりも多く見られる場合には、
何らかのアレルギー症状の可能性があります。
食物アレルギーの場合は、
フードやおやつを変えたタイミングなどに起こりやすいので、
愛犬の様子をよく観察するようにしましょう。
また、消化管が未発達な1才未満や、
アトピー性皮膚炎を起こしているワンちゃんの場合、
食物アレルギーを発症する割合が高くなるためとくに注意が必要です。
ワンちゃんが食事をしてから体に異変がでてしまった際には、
「5W1H」という愛犬の状態を分かりやすく説明できる項目を書き留めておくようにしましょう。
「5W1H」とは、次の項目の頭文字をとったものになります。
記録を取っておくことで、アナフィラキシーショックなどのショック症状が出たときに、
獣医師に的確に伝えることができ、スムーズな処置に役立てられます。
また、アレルゲンと思われる食物を特定できる場合は、
メモを取っておきましょう。
ワンちゃんがどういった食物に
アレルギー反応を示しやすいかについては、
血液検査で調べることができます。
また、血液検査では食物だけでなく
ハウスダストや花粉などの環境アレルゲンも調べられるので、
食物以外のアレルギーも考えられる可能性があれば、
原因究明の有効な手段となります。
愛犬に心配な点があれば動物病院に相談の上、検査を検討してみてはいかがでしょうか。
ブッチ公式サイトを見る食物アレルギーは多くの犬で確認されますが、
発症しやすい犬種は、
ボクサー、アメリカン・コッカー・スパニエル、スプリンガー・スパニエル、コリー、ダルメシアン、ジャーマン・シェパード、ミニチュア・シュナウザー、ダックスフンド、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、パグなど
が挙げられます。
ブッチ公式サイトを見る食物アレルギーは完治が難しいと言われていますが、
早めに気づいてあげることができれば症状を悪化させずに抑えることもできるでしょう。
毎日愛犬とのスキンシップをしっかり行い、少しでも愛犬に異常が見られたら、
すぐに獣医さんに相談するようにしましょう。