しぐさ・生態 2023年2月25日
飼い主さんは、愛犬の寝方を普段から見ていますか?
犬は、寝ているときの姿勢で気持ちや
健康状態を表現しているといわれています。
今回は、寝相からわかる犬の状態や
注意が必要な寝方について解説します。
愛犬の寝ている姿をみていると、
寝相のバリエーションが意外と多いことに気付くかもしれません。
犬は1日12~15時間ほど寝る動物で、
子犬やシニア犬の場合は18時間近く寝ることもあります。
1日の大半を睡眠に当てています。
(実は、猫と比べても同じくらいか少し短い程度です。)
犬が寝るときの姿勢は、
そのときの体調や気分によって変わるといわれており、
寝相をみれば愛犬の状態がわかるといえるでしょう。
犬は言葉を話すことができないため、
普段から寝相を観察しておき、
気持ちや体調を把握しておくことはとても大切です。
犬がリラックスしているときの寝相には、
どんなものがあるのでしょうか?
犬種ごとの骨格や成長に伴い、楽な姿勢は変わりますが、
リラックスしている寝相として一般的なものをご紹介します。
また、犬が寝る場所ではなく、
あくまで寝相の話なので、混同しないようにしてくださいね。
丸いドーナツ型の寝相は、
犬の最も一般的な睡眠姿勢
うずくまることで大事な内臓を守りつつ、
体温を逃がさずに温まることができるため、
寒い季節によくみられるでしょう。
ただ、もし愛犬が温かい場所でも丸まって寝ているようなら、
緊張して身を守りたいと思っているのかもしれません。
横向きは犬にとって楽な姿勢で、
快適な環境で体を
休めるときにみられます。
横向き寝のときは熟睡モードに入っていることが多いため、
とてもリラックスしている証拠といえるでしょう。
へそを上に向けた仰向けの姿勢は、
いわゆる「へそ天」といわれる寝相
休めるときにみられます。
急所であるお腹を無防備に見せていることから、
周りの外敵などを気にせず、とてもリラックスしている状態といえるでしょう。
飼い主さんのそばで安心している証拠でもありますよ。
犬の寝方によって、体の調子が悪い、ストレスを
感じているなどのサインに気づける場合もあります。
ここでは、犬の寝方からわかる「異変のサイン」の4つの事例について紹介します。
いつもとは違う場所で犬が寝ている場合、
普段の場所で安心して眠れない、暑い、寒いなどの
ストレスを感じている可能性があります。
愛犬の様子からぐっすり眠れていなかったり、
眠りが浅そうな場合は、周囲が気になっていたり、警戒していることがあります。
また、体調が悪かったり、
どこかに痛みがあるなどの可能性もあるでしょう。
体をギュッとさせてまるまって寝ているときは、
寒さなどを感じているほか、体調がすぐれない場合や、緊張している可能性があります。
地面に足をつけたまま伏せの姿勢で寝るというのは、
何かあればすぐに立ち上がれる姿勢です。
周囲を警戒していたり、
何らかの不安などがあるのかもしれません。
リラックスしているようにみえる横向き寝ですが、
足を開いていたり、呼吸が早い場合は、
暑がっている可能性があります。
お腹を開いて体温を逃がそうとしているため、
エアコンなどを使って涼しい環境を
整えてあげてもいいかもしれません。
特に、パグなどの短頭種や肥満気味のワンちゃんは
暑さに弱いため、夏場は十分注意してください。
前肢を伸ばして腰を上げた「祈りのポーズ」で
寝ているときは、すい炎の可能性があります。
この姿勢は犬が腹痛を感じている時にとるといわれており、
すい臓の炎症による痛みを訴えている可能性が高いです。
すい炎になると、嘔吐・下痢など胃腸炎とよく似た症状がみられるため、
犬が祈りのポーズをしていたときは早めに動物病院を受診しましょう。
上記のような愛犬の寝方の変化に気づいた場合、
飼い主さんが対策できるものもあります。
たとえば、部屋が寒い、暑いなどで寝にくそうにしているようであれば、
部屋や愛犬の寝床を暖かくしたり、快適な温度に調整するなどの対応をしてあげてください。
愛犬が緊張やストレスを感じているようであれば、
安心してくつろげる場所をしっかりと用意してあげましょう。
環境の変化や物音など、
ストレスの原因がないかよく観察してみてください。
また、愛犬の食欲や元気、排泄の様子など、
寝方以外でも気になることがないか確認することも大切です。
何か異変があれば、動物病院で診てもらうようにしましょう。
犬が好きな寝方は、犬種や個体によってさまざまです。
普段から愛犬が寝る場所や時間帯、
気持ちよさそうにぐっすり寝ているときの寝方などを、
飼い主さんは把握しておくとよいでしょう。
愛犬の異変のサインに気づけるかどうかは、
「普段と違うな」という違和感に気づいてあげられるかどうかが大切になってきます。
もちろん、寝方以外の愛犬の様子にも
日頃から気にかけてあげてくださいね。
犬の寝相には様々なバリエーションがあり、
そのときの体調や心理状態によって、犬は違った寝方をしています。
また、普段から愛犬の寝相を観察しておくことで、
異変に気付きやすくなり、病気の早期発見につなげることもできるでしょう。
ぜひ愛犬の気持ちを寝相から読み取って、
より深く愛犬のことを理解してみてはいかがでしょうか?