犬の気持ち 2022年2月28日
飼い主さんの姿を見ると、
大喜びするわんちゃんは多いですよね。
では、わんちゃんはどのようにして
他人と飼い主さんを見分けているのでしょうか?
わんちゃんの視力は人間で換算すると0.2~0.3程度とされていてあまりよくないです。
しかし近い距離であれば、ある程度見た目で把握することができます。
反対に、遠い距離であれば優れた動体視力によって、
動いているものを視覚で捉えることができます。
そのため、わんちゃんは人間と全く同じとは言えないですが、
飼い主さんの顔や外見を認知して他人との見分けを行っていると考えられます。
実際、イタリアやフィンランドなど世界のさまざまな大学や研究チームによって、
わんちゃんが人の顔を中心とした外見で見分けを行っていることが実証されているのです。
動いている人だけでなく、顔写真を見せるという方法の実験などもあるため、
体格や動きを含まない顔だけでの見分けも可能だということがわかっています。
さらに、実験の中で、若年のわんちゃん比べて
視力が低下しているシニア期のわんちゃんの方が、見た目で見分ける能力が低いという結果も出ています。
このことからも、わんちゃんが視覚を使って人を見分けているということがわかります。
わんちゃんは嗅覚が優れていて、匂いを強く感じるだけでなく、
さまざまな匂いを嗅ぎ分ける能力が高いということがわかっています。
そして、その能力を使い飼い主さんのことも
しっかりと認識していると考えられています。
飼い主さん自身の体臭はもちろん、
衣類の匂い、香水、化粧品、整髪剤など
飼い主さんから発せられている匂いも覚えていて、その匂いにも反応しているとされています。
飼い主さんが長期入院してしばらく会えなかった時に、
痩せて見た目もかなり変わった場合、見た目では半信半疑だったわんちゃんが、
匂いを嗅いだ途端大喜びした、という事例もあります。
また、盲導犬になる前の子犬を預かって育てていた人に、
盲導犬を引退してから会いに行った時、匂いを嗅いで相手が誰かを確信した様子を見せるわんちゃんもいます。
顔を隠して洋服などを変えて隠れている状態でも、
匂いを嗅ぐことで飼い主さんを見分けるということは十分に可能なことだと考えられます。
わんちゃんが飼い主さんを見分けるために
必要な要素として他で挙げられるのが、「音」ではないでしょうか。
嗅覚と同様に、わんちゃんは聴覚も優れていて
非常に敏感に音を聞き分けることができるとされています。
そのため、声を聞くことで飼い主さんがわかりますし、
飼い主さんが出す音にも反応することが多いです。
具体的には、留守番中に外から聞こえてくる
足音や車のエンジン音を聞き分けて、飼い主さんの帰りをいち早く察知するということがあります。
これを裏付けるような研究は、
国内外の色々なチームで研究が行われています。
飼い主さんの姿と飼い主さん以外の人の声を合わせた映像を見せると、
わんちゃんが判断に迷うように不思議な表情で見つめ続ける時間が長くなる、という結果なども出ています。
このことから、わんちゃんが色々な情報から
総合的に判断しているということがわかっています。
わんちゃんは飼い主さんを認識すると、
うれしそうに駆け寄ってきたり飛びついたりすると思います。
その時わんちゃんは飼い主さんの見た目や匂い、
話し声などの色々な情報から判断しているということがわかっています。
また、今回解説した通り、わんちゃんは嗅覚や聴覚が鋭いため、
見た目では隠そうとしてる感情なども読み取ってしまいます。
このように、わんちゃんは
私たち飼い主のことを普段からよく観察しています。
同じように私たちもわんちゃんのことを
きちんと観察し、気持ちや体調などをしっかりと把握しましょう。