しつけ 2021年9月6日
子犬のうちは、物や人など、何でも噛んでみたがる傾向があります。
いわゆる「あま噛み」ですが、飼い主さんが噛まれたとき、
それを止めようと何かしらその場で反応している人は多いのではないでしょうか?
ですが、反応や対処の仕方を間違えると、あま噛みはクセになり、
ますます激しく飼い主さんのことを噛むようになる場合があります。
今回紹介するような「噛まれたときにしてはいけないこと」をしていないか、
自分や家族の対応を振り返ってみましょう。
犬はうれしい気持ちや楽しい気持ちが高まると、
つい興奮して噛んでしまうもの。
興奮すればするほどヒートアップして、あま噛みの力も強くなっていき、
結果として落ち着かせるのも難しくなってしまいます。
また、犬は元来、動くものを追いかけて噛みたくなる習性があります。
ですから、愛犬の前で手をヒラヒラ動かしたりすれば、本能をあおってしまい噛まれることに。
さらに、おもちゃを噛ませるよりも、人の手で遊んだほうが愛犬の反応がいいからと、
手を噛ませながら遊んでいると、愛犬は「人の手=噛んでいいもの」と学習。
言わずもがな、噛みグセが悪化します。
本気で噛んだわけでなくても、犬の歯は当たるだけで十分痛いです。
そのため、つい「痛い~!ダメでしょ!!」などと
大声で叫んだりする人も多いでしょう。
しかし、大きな声を出せば愛犬の興奮をあおってしまい、
より噛むようになってしまいがち。
噛むと音の鳴るおもちゃがありますが、それと同じ原理で、
愛犬は飼い主さんの反応を「楽しい!」と思ってより噛むようになるのです。
たとえば飼い主さんの帰宅時など、愛犬は飼い主さんと遊んでもらいたくてしかたありません。
その際愛犬は、どうしたら飼い主さんにかまってもらえるか考えて、「噛んだらかまってもらえるかも」とあま噛みする場合が。
このとき、「ダメ!」などと声をかけてしまうと、
愛犬は「噛んだらかまってもらえた!」と勘違い。
飼い主さんの反応する声が、愛犬にしてみれば「かまってくれた」ことになってしまうのです。
このようなことを繰り返すと、愛犬は「噛めばかまってもらえる」と学習するので、
飼い主さんが帰宅するたびに歯を当ててくるように……。
そのほかの場面でも、かまってほしいと噛むようになってしまう場合もあります。
子犬期は何かを噛みたいという欲求が強い時期なので、そのエネルギーを、
散歩や、飼い主さんとするおもちゃ遊びで発散させてあげましょう。
エネルギーだけでなく、ストレスの発散にも効果的なので、 余計な場面で興奮しにくくなり、飼い主さんの手や足への噛みグセを最小限に抑えられます。
手へのあま噛みをそのままにしていると、「手は噛んでいいもの」と愛犬が覚えてしまいます。
ですから、もしも愛犬の歯が手に当たったら、
すぐに手を噛まれない位置まで離し、愛犬をかまうこともやめましょう。
「噛んだらかまってもらえなくなる」と愛犬に伝わるので、徐々に噛まなくなるようになります。
飼い主さんの近くで愛犬が自らオスワリをしたら、すぐにおやつを与えつつ、盛大にほめましょう。
これを繰り返すと、愛犬は「オスワリをしたらいいんだ」「オスワリをしたらかまってもらえるんだ」と学習します。
飼い主さんの帰宅時など、かまってほしいときに歯を当てるのではなく、自らオスワリしてアピールするようになります。
いかがでしたか?
愛犬は、噛めば噛むほど、それを「噛んでいいもの」と認識し、習慣化していきます。
噛まれてから対処するのではなく、これ以上噛まれないように事前に対策を行うことが、
噛むことをクセにしない最善策といえます。